(2015年)
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3月30日(月) 不毛の論争・・・
 人間社会ではしばしば・・・。否、いつの時代であれ、何処の国であれ、何処かで必ずいつも起きていること・・・。

 夜遅の何処かの局の番組で30数年の教員経歴というベテラン先生と、片や20数年の教員経歴と現在では私塾を経営されているこちらも大ベテランの先生を中心とした、それぞれに賛成派と反対派の若い方を添えた侃侃諤諤の議論が展開されていたので、しばし、眺めていた。。。
テーマは、最近に起きたIS(イスラム国)による日本人人質殺害事件で殺害された日本人被害者のネット上から入手した現場写真をそのままに小中学校の教育現場で生徒達に公開した教師がいたという報道がされたことでの、その行為が是か非かというもの。
 さすがに、先生方はその道での超ベテランの方々であり、主張されるところは模範解答的でもあり、或いは教科書的でもある様な印象ではあるのだが、まぁ、お互いに歩み寄りにとか行く訳もないので、疲れるまで議論を重ねた処で平行線のループから抜け出ることはないのだが・・・、只、多少は気になる処も・・・。何かが足りないのか、抜けている様な気がしないでもない。

 「じゃあ、あんたはどうなんだ?」と、もし、問われるとするならば、小中学生の子供達を対象とした授業の一環としては、敢えて見せる必要のないもの。否、むしろ、見せない方が良いだろう。
テレビ論争の場での賛成派若手の中では、「自分も子供の頃から、色んな写真、例えば原爆での遺体写真等をみたりもしたが、それらの現実、真実を見ることで・・・。だから、戦争は絶対に繰り返してはならないんだという理解が・・・。」等々の主張もあった。
つまりは、論拠を自らの人生の体験的な処に置くとしたら、小生自身の判断としても賛成派と云うことになってしまうかも知れないものだろう。要は、論拠を何れに置くかに尽きるのだから。
只、小生自身の感性としても、どちらかと云うと好奇心は強い方だとは思うのだが、敢えて、どうしても見たいと云う程のことでもない。ましてや、子供達に限ってのことではなく人間は十人十色。百人百様なのだから・・・。
凄惨な現場写真を見て、或いは実物を見て心地良い気持ちがする人は先ずいないだろうが、然しながら、好奇心からの「見たい」と思う者もいれば、可愛そうにとの同情心や、或いは故人に思いをはせての悲観の気持ちや、或いは、気持ちが悪いから見たくないと思う者もいる。見て気持ちが悪くなったり、体調に偏重を来す者もいることだろう。
否、それだけではない。ネット上に溢れる残虐なシーンの写真や動画を見たことの影響で、「自分でも試してみたい」との衝動に駆られたりする人も確かに存在するのが社会の現実でもある。
それと、今一つの賛成しかねる理由としては、残酷な画像や動画のネット上での公開と云うのは、まさに、イスラム国を標榜するテロリスト集団による独善で一方的な公開であり、亡くなられた故人やそのご遺族の方々にとってみれば、いつまでも好奇の目に晒されるのは本意ではない筈だろうとも推察できることだから・・・。
 昔は・・・と云うか、かつては殆ど見聞しなかった様な残虐な事件は後を絶たないが、教育の現場でさえ、従来の想像を超えるような事件が起こったり、或いは、動物を対象とした残虐行為の事件等は繰り返しに起きている現象はネットの普及に伴っての負の側面の一つでもあるだろうか、と。
これ等のケースでは、当初時の恐怖心と云う素朴な感性が、次第に回を重ね慣れ行く内に、微妙な好奇の心理へと変質を重ね経たものなのかも知れまい。
既に、それ等で囚われの身となった犯人においては、そう云った動機付けの遠因がネット上で見た写真や動画等からの心理的な影響があったことは度々の供述の中でも明らかにされているところだろう。
 人間は、50、60、70代と、年輪を重ね行くに連れ、感受性の方も次第に身体のあちこちと同様に退化が進むもの。同じ画像や映像に対応しても10代時に見せられた場合と、6、70代に至ってからの場合では脳内での反射や動揺はかなり薄れたり、或いは、鈍くもなるもの。
 つまりは、自分自身がその場でいきなりに見せられたとして大丈夫でも、それを小学生の子供にまで見せたいとは思わないのも自然な感性ことではなかろうかと・・・。

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4月11日(土) 論争への結論・・・
この前、2月だったかなぁ・・・。中東のイスラム国というのに二人の日本人が殺害
  された事件と云うのがあったけど、知ってるかな?
そりゃあ、知ってるよ! 知ってるよ、そんなこと!
実は、ニュースでも報じられて、教育委員会の人達が頭を下げて謝ってたけど、その
  事件で首を斬られて殺害された日本人の現場写真を個人的にホームページからダウン
  ロードしてたモノを学校での授業中に生徒達に見せたという先生が小学校と中学校で
  いたんだよね。
うん、知ってる。知ってるよ、そんなこと。
それって、どうだろう・・・。先生が学校で生徒達に見せてもイイものだと思う?
ダメだよ!見せるべきじゃないよ! 見せるべきじゃないよ!
見てみたいとは思う?
イヤだよ!そんなの見たくない! 見たくない! 怖いよ。そんなの見たら、夢の
  中でも出てきそうだから、ゼ〜ッタイに見たくない!
う〜ん。そうだよね。何も見せる必要性がある訳じゃないし、子供たちが見たくもない
  ものを教師が一方的に見せるべきモノでもない。
  実は、先日のテレビで,、小学校での教師歴が30年以上と、やはり、経験が25年位で、
  今は個人で塾をやっているという二人のベテラン先生と、それぞれに若い人達が3人
  づつ位ついたグループの間で、その、生徒達に写真を見せた先生の行為が問題あるのか
  ないのか・・・。賛成か反対かと云うことで、随分、意見が激突して盛り上がってたん
  だよ。
  どちらも、グループ中心のリーダー同志が大ベテラン教師と云うことで、ましてや、
  テレビの前だから尚更のこと、絶対に負けられない、譲れない・・・という様なメンツ
  はどちらにもあったんだろうけどね。話しは延々として平行線だったよ。
  だけど、結局の処、今の二人の意見を聞いたところでハッキリしたことは、つまりは、
  やはり、そう云ったものは見せる必要もないし、否、絶対に教師が一方的に見せるべき
  ではないということだよね。それが正解ということになる。
  この前のテレビ論争を見ていた範囲では、出演者のそれぞれが、自らの人生経験上とか、
  自分だったら見せられても大丈夫とか、自分の経験や感性での意見が多勢だったけど、
  子供たちのそれぞれの個性的な立場とか、実際に被害に遭った人やその遺族の立場とか
  心情を思いやる様な発言が殆ど出なかったのが多少は気になる処だったよ。
   つまりは、ここで一つだけ真実として言えることは、人間はどんなに年齢を重ね経験
  を積んだとしても、所詮は人間そのものが不完全なんだから、必ずしも正しい判断をす
  るとは限らないということ。場合によっては間違った考え方を先生が生徒達に教える可
  能性ということもあり得るという実例みたいなものだよね。大ベテランの先生方の考え
  方、意見だってこうして正反対に対立して尽きないんだから、その矛盾を証明している
  様なものだよね?
  誰しも、自分の経験や自分の感性のみを基準に執着すると判断を誤る可能性がある、と
  云った実例みたいな処かな・・・。
うん。お父さんの説明は解りやすいよね。うん。